Meet your USkJ friends : interview with Toriumi- san aka, ‘Casey’
上:真間山弘法寺の階段
今回ご紹介するのはUSkJのメンバーの中で最も精力的にスケッチされているCaseyさん、こと鳥海武司さんです。
ちなみに、鳥海さんがなぜCasey(ケーシー)さんという愛称が付いたかというと、お仕事仲間にもう一人タケシと言う名前の人がいて、その人がタケシの頭部分のタケと呼ばれるようになり、鳥海さんはケシの部分(ケーシー)を名乗るようになったのだそうです。
1、アーバンスケッチャージャパンにいつ、どういう理由で参加したか。
● 最初に、なぜスケッチを始めたか
仕事でアメリカ、カナダで32年生活し、最後はシカゴでリタイアして、2017年3月に日本に戻ってきた。それまで仕事以外はゴルフとテニス、2013年に脳梗塞になってからはそれも辞めて、写真ばかり撮っていた。
日本に戻って、写真以外になにかしようかと思っていて、近所の図書館で市内の公民館のサークル紹介のなかからたまたま試してみたのが線画のサークルだった。(これが2017年の6月か7月だったか、はっきり思い出せない。)
同じ公民館の別のサークルの水彩画にも入ってみたが、部屋のなかで2週間かけて静物画を描くのがまだるっこしくて、3回行っただけで辞めてしまった。
線画のサークルは、同じく部屋のなかで描くばかりで好きではないが、同時期に参加したスケッチ仲間がいるのでその人たちと話したくていまだに通っている。
線画のサークルで知って始めたのが、電車の中でのスケッチ。街中でも数分で描き上げるクイックスケッチ。これは今でも続けている。(コロナの自粛中は電車に乗ることがほとんどないので電車内スケッチは滞っている。)
●アーバンスケッチャージャパンに参加したのは
2018年の2月、インターネットでアーバンスケッチャーのマガジン“Drawing Attention”を読んでいて、松戸でアーバンスケッチャー本部からメンバーが来てミーティングを持つというのを知って、USkJapanのMariiaさんにメールで参加申し込みをした。
これがクミさん、アツコさん、ナオコさん達、USkJapanのメンバーと知り合いになるきっかけだった。
USkのレクチャーはOn locationで見ているモチーフのとらえ方、ジャーナル風に描くという内容だったが、分かったようで分からなかった。今でもそれが、USkのマニフェストに沿ったスタイルなんだろうなあとは思っている。
ともかく、集中力の持続性がなく、ずぼらな性分のわたしにはOn Locationで描くスケッチは合ったスタイルだと思っている。
(最近は、コロナ自粛中に始めた、グーグルストリートビューを介してのバーチャルスケッチも別の楽しみ方があっていいなと思っている。
3次元の世界を2次元平面にプロットして構図を作っていく楽しみはほとんどないが、その代わり、いつもはあまり重要視していない、新しい画材、描き方をチャレンジする機会だと思っている。)
2、主にどういう形態で活動されているか(FB、インスタ、ブログ、スケッチ会、その他)
描いたスケッチはFBとInstagramに毎日投稿している。(週に4,5日は都内を歩き回ってスケッチしていたが、いまはコロナ自粛中なので、近所の市川、船橋、特に下総中山あたりを毎日スケッチしている。)
USkJapanのスケッチ会には都合がつく限り参加している。
ときどき展覧会に出品したり、喫茶店で個展、あるいは地下鉄の駅のプロムナードで展示。(毎日最低1,2枚、多い時には10枚近く描くのでスケッチが溜まってしまう。)
たまに、しまうまプリントとかMybookでスケッチをまとめて本にしたり、カレンダーにして、気の置けない友人、親戚に送り付けている。
上:法華経寺赤門.
3、アーバンスケッチを始めてから、スケッチは日常に何をもたらしたか
アーバンスケッチに限るわけではないが、スケッチというものがあってよかったと思っている。スポーツを以前のようにできなくなった今は、写真とスケッチで楽むつもりでいる。
日本に戻って来てから、週に4,5回は都内のあちこちを歩きながらストリートスナップ写真を撮り、ときどきはスケッチをしていた。2019年の夏ごろからは一眼レフカメラを持っていくが写真を撮るのは数枚、あるいは一枚も撮らずに帰ってくることが多くなって、秋頃からはカメラを持たなくなってしまった。
写真とスケッチの割合が変わったのは変形性膝関節症のせいもある。ストリートスナップ写真を撮るのに歩き続けなければいけないのに、それが難しくなってきたが、スケッチならばまだいける。
●USkJapanに参加するようになってよかったことを以下、思いつくまま列記。
(他の市中のスケッチ会、絵画教室、公民館のサークルとの違いでもある。)
アーバンスケッチのスタイルにいろいろあり、それぞれの人が自分のスタイルで楽しんでいること
それぞれが思い思いの画材を使っていること
若い人たちが多く、彼らに刺激を受けられること
世界中のUSkのグループの人たちのスケッチから刺激を受けられること
上:真間川
4、アーバンスケッチャーでの活動で今後どんなことをしていきたいか
アーバンスケッチをする仲間をもっと知りたいし、増やしたい。どうしたらいいのかが分からないが、街中でスケッチしているときに覗いてくる人、怪訝そうに見ている人には話しかけている。話しかけたひとの中でスケッチを始めたひとはまだいないが、わたしのFBとInstagramのフォロワーになった人が何人かいる。
地元(市川、船橋あたり)でローカルなアーバンスケッチ会を開催したら、スケッチをしてみたいとひそかに思っている人を取り込んだりできるかなあ思っている。
5、画材情報
新しい画材、使ったことがない画材があるとまず試してみたくなるので結構いろいろながらくたが机の上、引き出しにたくさんある。そんながらくたのなかから、普段持ち歩いて使っているものをリストアップ。(添付写真を参照)
紙:
はがきサイズ:百均で売っているマルマン製はがきサイズ画用紙、Vifart、
B5サイズ:百均WattsのKyowa製クロッキー紙
SMサイズ:Vifart
このうえのサイズはCanson XL, Museのランプライト、Fabiano
Vifartなどの半切サイズのばらの紙を買ってきて、適当なサイズに切って使ったりもする。
絵具:
スケッチを始めた3年前に買った、サクラのプチカラー30色。昨年秋ごろから下記の8色詰め替えた。たぶん自分の好きな色たちなんだろうなと思う。
Permanent Yellow Deep, Ultramarine Deep, Indigo, Permanent Green, Sap Green, Yellow Ochre, Light Red, Payne`s Grey
30色もいらないので、Atsukoさん、花岡さんのように小さな絵具箱兼パレットを自作してみようかと思っている。
顔彩を知人から半年前にもらったがまだためしたことはない。
筆記具:
桜の枯れ枝
昨秋の台風15号が来た翌日、法華経寺の参道で拾ってきて削ったもの。(アーバンスケッチャーのKiah Kieanが使っているデモをYoutubeで見て、自分も欲しいと思っていた。)それまで時々使っていた竹ペン、葦ペンは使う機会がなくなってしまった。
線が太いので、大きめの紙にクイックスケッチするときに使うことが多い。そのときは着色もあまりしないように控える。
パイロットの万年筆プレラ
セーラーの万年筆ふででまんねん(プロフィット軸のものが短くて使いやすい)
パイロットのパラレルペン3.8㎜のニブ(買ったばかりで練習中)
ホルベインのカーペンターペンシル(電車内のスケッチの時によく使う。長方形の芯が、ふででまんねんのように軸を傾けたり、まわしたりして線の太さを変えられるので面白い。)
鉛筆
最近、遠景の風景を描くのに、油性色鉛筆のブラックを使い始めた。強い輪郭線を描きたくないときだ。テツ(誉田)さんに教わった、Caran d`Acheのルミネセンスか、他のスケッチャーに教わった三菱のぺリシアだ。
白の修正あるいはハイライト用に、三菱のユニボールシグノUM-153とUNI Whitia CLN-250
インク:
インクはプラチナのカーボンブラック(耐水性は抜群。)
プラチナのブランセピアとカーボンブラックを9:1くらいに混合インク(セピアだけだと赤が強すぎて、自分の好みには合わない。カーボンブラックの黒が強いので混合割合は9:1くらいでちょうどいい。少しずつカーボンブラックを足しながら試してみるといい。
どちらの色のインクを使うかはモチーフによって大体決まっている。どの色でもいいように、パイロットのプレラとセーラーのふででまんねんは2本ずつ持っている。
墨汁は開明墨汁と開明漫画墨汁、漫画墨汁の方が耐水性がある。普通の開明墨汁は完全に耐水性を発揮するには数か月掛かる。
次によく使うのはAGFのインスタントコーヒーを溶いて、サクラの枯れ枝とか割りばしとかの線画で使い、また筆で陰影をつけるときに使う。
絵筆:
水筆も絵筆も凝らないが、塗れればいいので百均の絵筆で構わない。それでも、最近は、新宿、銀座の画材屋へ行けないので、千葉の田舎の画材屋でたまたま買った、6号くらいのキャッツタングで彩色していることが多い。細い線、広い面をこれ一本ですましている。
6、好きなスケッチャー
FacebookとInstagramでフォローして刺激を受けている人を思いつくままリストアップ。(アーバンスケッチャーとは限らない。)この他にもたくさんいるけれど、あげたらキリがない。
Yap Yeen Yee
Teo Kim Seah
Some_naked_bodies
Silke Reimers
Montealsketcher
mia_figure_drawing
lazysiren
Kiah Kiean
Inma Serrano
Housesketcher
Felix Scheinberger
Emma Fitzpatrick
cigarettesandkale
captain_tom
Amandaoleander
Beyerdominic
岡村参次
このリストを見ると、ルーズな線でスケッチをするスケッチャーがやはり好きなんだなあと思う。自分でも、ルーズでミニマルな線で、味わいのあるスケッチができるようになりたいと思う。
上:法華経寺渡り廊下
(掲載されている作品はサクラの枯れ枝、ふででまんねん、プレラ万年筆、墨汁、パイロットのカーボンブラックインク、ブランセピアとカーボンブラックの混合インク、コーヒー液などを使用)
以上、Caseyさんでした。
日々楽しみながらスケッチに向き合い継続、研究、応用、改良を重ねているCaseyさん、(ズボラどころか)新しいことに挑戦していて作風も多様で、いつも大いに刺激をいただいています。Caseyさんのインタビューはいつか書いてみたいと思っていました。今回ラブコールに答えていただき感謝です!
今回もお顔の写真ではなく私がスケッチ会でご一緒したときに描いたCaseyさんを貼り付けます。
下:ある日のDrink and Drawにて。(左からMichael, Momoko, Chris, Casey) by Kumi
Comments
Post a Comment