師走の仲見世、本気で描いた。
2017年最後の浅草スケッチ会については久美さんがひととおり書かれていますが、私は小1時間ほど、皆さんと離れた場所でひとりスケッチをしていました。その皆さんの知らない時間について、ちょこっと書いてみたいと思います。
まずは浅草文化観光センター前に集合して、 とりあえず建物の中に入って上から描きましょうか、ということで、皆で8階の展望テラスへ、、、しかし!
おおーっこの壮大な景色! ええーっこれを描くんですか?!描けません。どうしよう。普段、目の前の触れるものばかりしか描いていない私には、ハードルが高すぎます。仲見世が遠い、、小さすぎる。。
他の皆さんはそれぞれの方角を決め、スラスラと構図を取り始めた様子です。ここで13時まで描くことになりました。あと1時間、どんどん描かないと時間がありません。「ちょっと私、降りてみますね」「どうぞどうぞ」ということで、ともかく仲見世までひとりで行ってみることにしました。って、大した距離じゃないんですが。
師走のにぎやかな仲見世通りを少し歩いてみると、お正月らしい飾りや看板が目につきます。的を絞って飾りものだけなら描けるかも、、でもどれを描こう、、とウロウロしながら戻り、やっぱり仲見世の文字と緑色の屋根を、どうしても描きたい気がしました。それが一番よく見える雷門の裏手の地べたに座り、行き交う人々を見上げながら、頭越しに見える緑色の屋根から描き始めました。
遠近が不安だったので、まず黄緑色の色鉛筆でざっと形をとってみたものの、寒くて早くも手が動かなくなってきました。いつもの万年筆に持ち替えて、とにかく見えるものをどんどん描きました。集合時間まであと残り10分、とにかく塗りたい色をバシャバシャと塗り、、、
空白は、全く描けなかった人混みを想像してください。。。
まだ水彩絵の具の乾かぬまま開いたスケッチブックを頭の上に掲げ、混雑するエレベーターでまた皆さんのいる展望テラスへと上がりました。これだけしか描けなかった、と、かなり気落ちしていたところ、皆さんのなんとあたたかかったこと!それぞれが同じ時間に全力で描いた結果を持ち合うことの喜び!スケッチ会でしか味わえないものでした。
皆さんそれぞれの作品は素敵で、驚くものばかり!
私ひとりでは決して描くことはできなかった、思い出深い一枚となりました。
作品にもナレーティブにも臨場感があって、あの時の様子が伝わってきます!
ReplyDelete景色の写真、インパクトありますね。これ目の前にして「描けない!」って言うの、すっごく分かります。描き手の心情に共感できるレポート、ありがとうございます。
ReplyDelete